先週のオークスでは◎ヌーヴォレコルトがハープスターを破って見事勝利を収めた。
オークスでは東京芝2400Mに縁のある血と、マイル以下のスピードレースに対応できる血が強調できる。
東京芝2400Mで強調できる種牡馬(ハーツクライ)×マイルGI馬(スピニングワールド)という配合は、まさにオークス馬にふさわしいものだった。(当然、血統評価は文句なしの「A」)
混戦と言われるダービーでも、血統的な見地から好走馬を見つけ出していきたい。
■ダービー馬にふさわしい血
東京芝2400Mで勝つために求められるもの――。その最大の要素は……
瞬発力
これに尽きる。スピード化が進んだ日本競馬において、瞬発力は何よりも重要な要素だ。
実際に過去10年の日本ダービーにおける上がり別の成績を見ると、1位を記録した馬は複勝率71%。単複回収値も驚異的な数字をたたき出している。上がり2、3位にしてもとても優秀な成績だ。
また、血統的な側面からも瞬発力の重要性を読み解くことができる。
過去10年の好走馬30頭のうち、27頭はいずれかの条件を満たしていた。
・父か母父がサンデーサイレンス系・父がキングマンボ系orロベルト系
サンデーサイレンス、キングマンボ、そしてロベルトの系統はすべて標準以上の瞬発力を使える血である。
上記に合致しなかった好走馬はわずか3頭のみ。ここからも、瞬発力の重要性を探ることができる。
つまり、ダービーとは……
血統的な下地があった上で上がり3位以内の脚を使える馬を探すレース
ということができるのだ。
■サンデーサイレンス時代後のトレンド
サンデーサイレンスが現役の種牡馬として活躍していた時代のダービーでは、サンデーサイレンス産駒が穴を開けるのが常だった。
では、サンデーサイレンス亡き今、どんな点に注目していけば良いのだろうか?
今回注目したいのは「母父サンデーサイレンス」の躍動についてだ。2007年以降、母父サンデーサイレンスの馬が大穴を開けている。
2011年3着 ベルシャザール(8番人気)父キングカメハメハ
2010年2着 ローズキングダム(5番人気)父キングカメハメハ
2008年2着 スマイルジャック(12番人気)父タニノギムレット
2007年2着 アサクサキングス(14番人気)父ホワイトマズル
ご覧のように、大穴と言える馬たちが母父にサンデーサイレンスを持っていた。
サンデーサイレンスは母父としても、産駒に類まれな瞬発力を継承する。また、GIで勝つために必要な底力も供給する傾向にある。
ここ2年こそ不発だが、あまり魅力的な穴馬がいなかったことも事実。引き続き警戒していくべきだろう。
この他にも、ダービーには「3つの特注血統」が存在するのだが、それは予想の際に書いていこうと思う。
日本ダービーの最終結論(予想)は日曜日午前中に配信予定の『メインレース徹底予想』で!お楽しみに!