(K.ヤマモト)エリザベス女王杯コラム~ヌーヴォレコルト>ショウナンパンドラ~


【先週のレース回顧】

 

○東京 アルゼンチン共和国杯
結論から言ってしまえば、予想されていたより遅い流れ。差し馬にとっては少し厳しかったのかも・・・
いずれも力差無く、展開・流れ一つで結果が変わっていたと思うし、今回、勝ったとか負けたとかで、この先をあまり考えなくても良いという結果のレースだった。
そう言った意味では、最後追いつめて来た11番スパームーン、軽量活かした14番アドマイヤソルケは良く頑張ったと言ってよいだろう。人気を集めた15番ホッコーブレーヴ。休み明けも正直あったし、あの流れでそれなりには走っていた。反応の鈍さは仕方ない。もう少し強敵相手の速い流れのレースなら挽回出来るはずだ。
そして、勝った3番フェイムゲーム。確かに強かった。強かった様に見えた。この馬は、どうしても兄、バランスゲームの事があり、以前は先行競馬を試みていて、もう一つだったのだが、一変して差しに構え出すと、そこまで溜まった脚を一気に使えるようになり、馬が変わってきたのだ。そして、前走の新潟オールカマーで外回りならともかく内回りの競馬で大外回して、上がり34,4。勝ち馬とは僅か0,2差の6着。流れは当然、スロー。これこそが実走勝ちと言うものなのだ。そして、枠順が発表されてこの馬が内枠に入った瞬間に、この馬の軸は決まったのだ。結果は正解。スローの前残り、内枠を利して、終始インピッタリ、そのまま直線を向き、バラけ出した展開を前走で使った脚通りに伸びて来ただけなのだ。果たして、外枠だったらどうだったのか?少し疑いたい。ちなみに、このレースの旨みは、15番の方が人気だったと言う事なのだ。天皇賞(春)確かに、字面では15番が先着している。しかし、着差は0,4差。ペースはスロー。3番の方が後ろからの競馬をしているし、何よりその時の枠順の差なのだ。15番は6ゲート、3番は10ゲート。その天皇賞(春)が実はそんなに差が無いと分かっていれば、今回のアルゼンチンは枠順が逆転している。3は、1度叩いている。この事から、旨みは15番より人気が無い3番なのだと簡単に分かるのだ。

 

○京都 みやこステークス
まずは、1番人気クリノスターオーだが、これは予想家と言うより馬券打ちとして考えた。この馬は、人気が無かったから今まで美味しかった。逆に人気なら疑いたい。ただこれだけなのだ。そして実績上位のニホンピロアワーズ。終わったとは言わないが、目標はここではなく、先にある事はどうであれハッキリしている。ここは叩きと判断するのが正解。ならば、後はどこから入るかなのだ。こちらのレースも大差なく、力は互角。後は人気のバランスとリスクを考えてあげれば良いだけなのだ。で、丁度、先日、行われた実に良い物差しのレースが盛岡であったのだ。
JBCクラッシクだ。ワンダーアキュートやコパノリッキーと現世代の頂点にいる馬達のレースが行われた。結果はハイパースもあり、帝王賞とは逆転する形になったが、それでも僅差と言ってよいだろう。しかし、今年のJBCクラッシクの注目点は上位に来た馬達ではないのだ。結果7着だった3歳馬のカゼノコなのだ。スタートを出遅れた訳でもないのに、下げに下げて殿追走。それこそ、前の馬達が3コーナーに入ろうかと言うのに、カゼノコは未だ2コーナーを出たあたり。是非VTRを見て頂きたいが、それこそ前とは20馬身以上後ろの位置。それでいて、最後、上がり、34,7(地方の深いダートでは絶対にあり得ない時計だし、実質33秒台)の脚を使っての7着だったのだ。だからJBCクラシックが終わった瞬間に、思わずツイッターで一番強い競馬をしたのは、カゼノコだったのかも!と呟いたほどだったのです。ならば、もしかするとこの3歳世代は強いかも?と言う単純な発想と、前走のブラジルカップのスローを後ろから追い込んで来た3歳馬の4番ランウェイワルツがあまりにも軽視されているのではないのか?しかも内枠で面白いと言う判断から、このレースの一番の旨みは人気薄の4番として軸に推せたのです。後はその4番が見つかれば、相手は簡単で2走前から14番インカンテーション、そして叩いた10番ナムラビクターと必然的に比較が出来、結果、○ー◎ー▲の本線で的中となったのです。

 

いずれも先週は、枠順の有利、そして何処にそのレースの旨みがあるのかを考えた結果の的中となったのです。

 

【レース展望】

 

第39回 エリザベス女王杯(GⅠ)

 

残念ながら、原稿の締め切り時間もあり、まだ枠順が決まっていないながらの展望となります。

ならば、簡単に一言。このレースの何処に旨みがあるのか?と言う事なのです。
と、その前に、このレースの傾向として近年は3歳馬の活躍が非常に目立つと言う事で、今年も3歳馬に絞ってこのレースを考えてみたい。そして、ここに大きな旨みが生じてくるのだ。余り余計な事は言いたくない。黙って下記を見て頂きたい。

 

第19回 秋華賞

 

1着  4番 ヌーヴォレコルト
2着  1番 ブランネージュ   0,4
3着  6番 ショウナンパンドラ 0,05
4着 12番 タガノエトワール  0,1
5着  8番 レッドリヴェール  0,15

 

実は、これが実走着順に直した、今年の真の秋華賞の着順なのだ。勿論、これは自分の信じる理論での話。
とにかく、2着だったヌーヴォは負けてないのです。それどころか、2馬身も次位以下を離している事になるのです。そして結果、勝ったとされる6番は、僅かながらもブランにも先着を許している3着となるのです。
で、この事から何が言いたいのか?です。
そうです。前走、ただ勝ったと言う事だけで、ヌーヴォと差の無いと言う評価(人気、オッズ)をショウナンが受けるのだとしたらそこが何よりの旨みなのです。分かりやすく言えば、ヌーヴォは、古馬牝馬には先着を許すかも知れませんが、3歳馬同士なら負けないと言う事なのです。ましてや、ショウナンには絶対に先着を許させないと言う事なのです。少しでも今回、ショウナンが人気を喰ってくれるのなら、美味しいお客さんと言う事なのです。
と言う事で、今年のエリザベスは、上記の事からまずは、馬券を組み立てていきたいと思っています。珍しく、ディープ産駒だらけのレースとなりましたし、流れと言うよりも枠順が大きく影響してきそうなレースで、現時点では全てを言う事は出来ませんが、まずは、近年の傾向として、3歳馬には注意が必要ならば、まずはその3歳馬達の力差をハッキリしておきたいと言う事で、コラムを書かせてもらいました。
くどい様ですが、もう一度言います。

 

ヌーヴォレコルト>ショウナンパンドラ

 

しかもこの間の着差は、2馬身もあるのだと!!

以上です。最終結論、そして古馬牝馬については、当日の配信を楽しみにして下さい。内枠なら面白い、古馬牝馬など、今年はタレント揃いのエリザベス女王杯。楽しいレースになりそうです。

K.ヤマモト

 

カテゴリ: K.ヤマモト, 重賞展望