GP小川の競馬回顧 ~日本ダービー観戦記~ 「橋口調教師、蛯名騎手、岡田総帥、それぞれの悲喜こもごも」


■3連単18点買いで勝負

6月1日(日)は日本ダービーを見るため、友人を誘って東京競馬場に繰り出した。真夏のような日差しの中、集まったファンは14万人に欠けること53名。周りのファンが若返ったように見えたのは、単に私が年を取ったためか。振り返ればミスターシービーを手始めに31頭のダービー馬を見てきたことになる。

私の予想は◎トゥザワールド○ワンアンドオンリー▲イスラボニータ△ワールドインパクト×ハギノハイブリッドというもの。トゥザワールドが3枠(帽子の色は赤)なので、赤いポロシャツを着ての応援だ。

馬券は部下に頼まれ、金曜に1万円分買って公開している。3連単フォーメーション◎○→◎○▲△→◎○▲△×、2×3×3=18点買い。普段は3連単と馬単を組み合わせて買うのだが、部下が「ドカーンと当ててください」と言うので、カッコつけて3連単だけで勝負した。これが第一の敗着となった。

 

■10年前のダービー

さてダービーまでの時間、友人は私の顔を立てて予想を聞いてくる。皐月賞で世話になったイスラボニータから買いたいらしい。私はフジキセキ産駒が芝長距離重賞で80連敗であること、蛯名騎手がダービー21連敗中であることを教え、いいとこ2着だから馬連がいい、と教えた。

続いて私は予想を語りだす。勝つのはトゥザワールドかワンアンドオンリー。この2頭の父はダービーで対決し、キングカメカメハがハーツクライを抑えて優勝した。ちなみにそのとき私は蛯名騎乗のハイアーゲーム、友人はマイネル軍団・岡田総帥所有のコスモバルクで勝負していた。と10年前の話に花が咲く。最近のことは覚えられないが、昔のことはよく覚えている。

友人が馬券を迷っている間、私は馬券を買い足した。◎○→◎○→総流しの3連単を100円ずつである。予想は点数を絞るが、自腹の3連単は100円ずつ総流しを掛けることが多い。一瞬、2着にイスラボニータも入れようと思ったのだが、それだと2×2×15=60点となる。さすがに買い過ぎかと思って自粛した。これが第二の敗着となった。

 

 

 

 

■赤は赤でも勝負服

さて、皇太子殿下やTOKIOの面々が見守る中、レースは無事にスタート。逃げ馬エキマエの故障、トーセンスターダムの内ラチ激突などのアクシデントがあったが、直線では私の思い通りに横山典ワンアンドオンリーが蛯名イスラボニータを抑えてゴールイン。「やった」と思ったが、少しして今日は馬単を買っていないことに気が付いた。

3着はよく見ていなかった。赤い帽子のトゥザワールドが来ていたようには思うのだが、果たして届いたか。モニターのスローモーションを食い入るように見つめると、内に赤は赤でも赤い服の馬がいて、3着に粘っていた。赤い勝負服はマイネルフロストである。赤い服を着てきた私は「帽子にするんだった」と思わず天を仰ぐのであった。

 

■吉川先生の快挙

配当は3連複が27,470円、3連単は10万馬券である。さすがにマイネルフロストは買えないだろう、と思いつつ手持ちの日刊競馬をめくってみる。次の瞬間、すごい予想があって驚いた。なんと作家の吉川良先生が3連複を1点で当てていた。吉川先生は弊社から何冊か本を出させてもらったことがある。応援したい馬が3頭いて、橋口調教師のワンアンドオンリー、蛯名騎手のイスラボニータ、岡田繁幸氏のマイネルフロスト。いずれも悲願のダービー初制覇が懸かっている。だから3頭の3連複を買う、と書いてあった。10年に一度の大的中、おめでとうございます。

ちなみに優勝したワンアンドオンリーの父ハーツクライは橋口調教師が育てた馬だった。見事に親の無念を子供が果たした格好となった。

なお最終レースの目黒記念を制したのは蛯名騎乗のマイネルメダリスト。ダービーで涙をのんだ蛯名騎手と岡田総帥が合体して見事に雪辱を果たした。

競馬はロマンと言うが、こんなこともあるのだな、と私は思った。だから競馬はやめられない。

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カテゴリ: 編集部予想