まだまだ暑い夏! 熱中症の危険を知らせるiPhoneアプリのオススメはどれ?


みなさん、お元気ですか? まだ暑いですね。8月下旬は少し気温が下がりましたが、また暑くなってきましたね。まだまだ油断はできません。熱中症にならないように注意が必要です。今年の7月に熱中症で病院に運ばれた方は、猛暑だった昨年並みで、一昨年と比較すると3.4倍以上の17,963人だったそうです。節電も大切ですが、無理をし過ぎて体調を崩してもいけません。熱中症は死に至る場合もありますので本当に気をつけてくださいね。

 

そこで、iPhoneで熱中症になる危険度を教えてくれるアプリを紹介したいと思います。iPhoneで気温を測ることはできませんが、値さえわかれば自分がどんなに危険な状況に置かれているのが即座に判断することができるアプリが複数リリースされています。熱中症は本人が気づかないうちに症状が進んでいることもあるので、これらのアプリを利用して現在自分が置かれている状況を正確に把握できれば、エアコンを強めにしたり居場所を変えたりと調子が悪くなる前に対策を取ることができます。

 

熱中症に関連したキーワードをiTunes Storeで検索してみると

 

熱中症に関連するキーワードとしては、「熱中症」の他に「体感温度」や「不快指数」というキーワードが考えられます。ただし、「体感温度」は人の肌で感じる温度であり、「不快指数」は蒸し暑さの指数で、どちらも危険度を教えてくれるというものではありません。危険度を教えてくれる指数としては、環境省が熱中症予防の指数として使用している「WBGT(湿球黒球温度)」があります。気温と湿度に加えて輻射熱を計算に取り入れており、熱中症予防にはかなり期待が持てる指数なのですが、測定には黒球温度計という特殊な計測器が必要になります。そのためか「体感温度」や「不快指数」ほど一般には知られていません。

 

では、「熱中症」および関連するキーワードとして「体感温度」「不快指数」をiTunes Storeで検索するとどのようになるのでしょうか。執筆時点で試してみると以下のような結果になりました。

 

●「熱中症」

「乾湿計」と「美人温度計 Bijin Ondokei」の2件

●「WBGT」

「乾湿計」と「美人温度計 Bijin Ondokei」の2件

●「湿球黒球温度」

0件

●「体感温度」

「バッジで最高体感温度」をはじめとしたバッジシリーズ7件と「不快指数」の1件で計8件

●「不快指数」

「不快指数」「服LIVE」「乾湿計」の3件

 

実はこれだけ熱中症が話題になっているにも関わらず、7月の時点では熱中症の危険性を直接教えてくれるような日本語対応のアプリがありませんでした。8月に入ってから「乾湿計」「美人温度計 Bijin Ondokei」が「熱中症」というキーワードで引っ掛かるようになりましたが、「乾湿計」は、乾球温度と湿球温度から湿度を計算したり不快指数を表示するアプリです。先日のバージョンアップで、熱中症(Heat Index)とWBGT、ミスナールの体感温度に対応したということで検索に引っ掛かるようになりましたが、どこに表示されているのかよくわかりません。「美人温度計 Bijin Ondokei」は、インターネットから自動的に情報を取得して、WBGTに基づいた熱中症の危険度をアイコンで知らせてくれるアプリですが、気温以外の表示がなく実用性に欠けているのが残念です。

 

なお、「バッジで最高体感温度」は、天気や気温、湿度、降水確率などを表示してくれるもので、プッシュ通知で変化を教えてくれます。「服LIVE」は、服をキーワードにユーザーから情報を集めて天気を予測していくアプリで、「不快指数」はその名の通り、温度と湿度を入力して不快指数を表示するシンプルなアプリです。結局今回の検索では、熱中症の危険度を教えてくれるアプリは、「美人温度計 Bijin Ondokei」しかありませんでした。

 

「乾湿計」は乾球温度と湿球温度を入力します。これによって湿度や不快指数の計算ができます。ただ、新しく対応したHeat IndexとWBGT、ミスナールの体感温度がどこに表示されているのか今ひとつわかりませんでした。

「美人温度計 Bijin Ondokei」は、現在地の情報を自動で収集してWBGTに基づいた危険度を表示してくれるそうです。画面の右上に表示されているアイコンがおそらくWBGTを基準にして警告を表示しているものだと思われます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もっと違ったキーワードで検索すると何か出てくるのかもしれませんが、これほど「熱中症」が問題になっているにもかかわらず危険度をきちんと知らせてくれる日本語対応のアプリがほとんど見当たらないのは少々がっかりしました。とは言え、ないものは仕方がないので「Heat Index(ヒートインデックス)」という米国で最もポピュラーな熱中症の危険度を知ることができる指数のアプリを紹介したいと思います。なぜかHeat Indexは日本ではあまり知られておらず、日本語には対応してるものはありませんが、そんなに複雑な構造ではないので、使いかたは簡単です。

 

ヒートインデックスのiPhoneアプリはこんなにいっぱい


ヒートインデックスは体感温度のようなもので、気温と湿度の2つの値から危険度を示してくれます。熱中症の危険度を測るには輻射熱も計算に加えているWBGTのほうが正確だと思うのですが、それを測定できる熱中症指標計はハンディタイプで3万〜5万円ぐらいします。それに比べて温度&湿度計は専用品でも数千円も出せばかなり良いのものが購入できますし、置き時計のオマケ機能として搭載されている場合もあります。とにかく手軽に自宅や外出先で測定して計算できるところがこの指数のよいところです。

 

熱中症の予防で大切なことは、自分が現在いる場所の正確な気温と湿度を知ることです。地域ごとのデータは気象庁が公開しているアメダスの情報を「AirOutside」「ウェザーニュース タッチ」「バッジで最高体感温度」などのアプリで確認できますが、アメダスのデータは屋外における理想的な環境での測定値です。例えば、舗装された道路は5度以上は気温がアップしますし、背が低いお子さんなどは地面に近いのでもっと暑く感じます。また、屋内でもエアコンをつけずに日当りのよい部屋にいるとあっという間に室温が40度近くになることもあるので非常に危険です。気象庁のデータと自分の置かれている環境のデータは乖離していることが多いので、熱中症を確実に予防するには周囲の温度と湿度を測定して確認する必要があります。

 

では、iTunes Storeで「Heat Index」のキーワードでと検索してみましょう。原稿執筆時点では20件のアプリが表示されました。残念ながら、日本語対応のものはなさそうですが、温度と湿度を入力するだけのものが多いので、個々の環境の状態を把握しやすく使い方も簡単です。また、基本は華氏表示ですが、ほとんどのアプリが摂氏にも対応しており、日本人でも違和感なく使用することができます。

 

「Heat Index」でiTunes Storeを検索すると20本ほどのiPhoneアプリが表示されます。

 

それでは、Heat Indexの指数が表示できるアプリにはどんなものがあるのか紹介します。さすがにすべてを掲載するのは無理だったので、実際に使用して日本人が使いやすそうなものを適当にピックアップしました。熱中症対策の参考にしていただければ幸いです。

 

 

Heat Index Lite】(無料アプリ)

気温と湿度を入力

 

「Heat Index Lite」は、他のアプリと同様に摂氏と華氏の両方に対応しています。気温と湿度を入力するだけでHeat Index数を計算してくれますが、危険度の表示がないのでわかりづらいですね。でも無料なのでまあいいかなと。85円で有料版も用意されています。

 

 

Heat Index Calculator】(有料アプリ:85円)

気温と湿度を入力

 

「Heat Index Calculator」も気温と湿度を入力してHeat Index指数を表示することができますが、その数値がどのぐらい危険なのかを「Heat Category」の項目で表示してくれます。なお、同じ会社からWind Chillも計算できる「Wind Chill Factor Calculator」や気温と露点から相対湿度を計算する「Heat Index and Relative Humidity Calculator」などもリリースされています。

 

 

WindChill Please!】(有料アプリ:85円)

気温と湿度、風速を入力

 

「WindChill Please!」は体感温度の一種であるWindChillの計算ができるソフトです。WindChillは本来、気温と風速から寒い地域における体感温度を知らせてくれるもので暑い場所では役に立ちません。そこでこのアプリにはHeat Indexのモードも用意されています。

 

 

Weather Conversion】(有料アプリ:85円)

気温と湿度、風速を入力

 

「Weather Conversion」は、摂氏←→華氏の変換やHeat Indexの値、Wind Chillの3つの機能を備えています。危険度は表示されません。

 

 

iHeatIndex Lite】(無料アプリ)

自動で現在地の情報を取得して表示

 

「iHeatIndex Lite」はちょっと変わっていて、気温や湿度を自分で入力するのではなく、自分が現在いる位置を指定することで自動的に気象関係の値を引っ張ってきて表示します。位置は「IPアドレス」「都市名」「GPS」の3つから指定可能です。かなり便利なのですが、あくまでも気象データですので、個別の環境の値を計算することはできません。85円で有料版もあります。

 

この他にもいくつか試しましたが、「Heat Warning」は自動でHeat Index指数の危険な地域を地図上に表示してくれるのはいいのですが米国のみの対応だったり、「服LIVE」はユーザーから情報を集めて着ている服と不快指数を地域ごとに表示するという面白い試みなのですが参加者が少なくデータとしては役に立たなかったりと、微妙なところがありました。「Weather Calculator Complete」は他のアプリとの大きな違いが見つけられませんでした。

 

最後に、皆さまにオススメしたいのが、自分で気温と湿度を測定して入力できるアプリと現在地の値を自動で表示するアプリを組み合わせて使用する方法です。例えば私は、「Heat Index Calculator」「iHeatIndex Lite」を普段からiPhoneに入れて両方とも使っています。「Heat Index Calculator」は、自分で測定した値を入力するだけなく危険度をテキスト(「Normal」「Caution」「Extreme Caution」「Danger」)と色で表示してくれるので英語が苦手な人でもわかりすいのが気に入っています。「iHeatIndex Lite」は、インターネット上の気象データを元にリアルタイムで危険度を知らせてくれるので、温度計と湿度計を持っていない時でも現在地の周囲の状況を確認することができます。この2つを同時に使用することにより、現在地の標準的なデータを確認しながら、個人的な環境の危険度を知ることができるようになりました。かなりの確率で危険を避けることができるようになるので、皆さまもぜひ自分の好みのアプリを見つけて活用してください。

 


   
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