井山裕太当時七段の布石感覚

前回の記事の続きです。

このような局面で、トッププロは次の一手をどう決めるのか?

 

本書では最初にテーマ図を示し、その後に山下九段→井山七段(!)→依田九段の順番で、それぞれの見解を述べる構成になっています。
当時、井山七段は17歳。最年少で名人を獲得する3年前になります。
このテーマ図を見た井山七段の感想は次のようなものでした。

トッププロの意見、かつ正解が出づらい布石の分野ですから、読者の方は「そんな感覚なのかぁ」ぐらいな気持ちで読み進めていただくのがお勧めです。
それにしてもプロの布石感覚はアマチュアのそれとは全く違いますね。

私などは下辺の黒1子にしか目に入らないです。

 

さてこのあと、井山七段は変化図をいくつか考え、次の一手を絞っていきます。
その詳しい変化図は本書でご覧いただくとして、結論として提示したのが次図です。

「あくまで難しい局面」と井山七段。

そこで気になるのが依田九段と山下九段が示した手順。
3者の回答が同じなら話は簡単ですが、やはりそうはなりませんでした。  (続く)

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