厚みと模様の違いとは?「手厚さの罠」

序盤から手厚く打ち、相手に地で先行されても慌てない。

中盤、相手の一瞬の隙をつきパンチを入れ、一転優勢に…。

 

手厚い棋風の方が理想とする勝ちパターンです。玄人っぽい勝ち方で、気分がいいですよね。
が、最後に地が足りなくなって負けることが多いのも事実。
そのような方にはこちら。

 

 

5月中旬に発売される王立誠九段による新刊です。
厚み」と「模様」それぞれの運用方法、またその違いを理解することが棋力アップにつながると本書では説いております。例えば…

 

これは表紙に出ている問題で、厚みの特性を知らないと罠にハマってしまうのです。
正解はA~Cのどれでしょうか?

 

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「厚みは攻めに使え」の格言通り、果敢に黒1(A)と打ち込むのが正解…にはならないのです!
なぜかというと…

 

 

本図のように、白に1子捨てられると、黒は厚みの近くから陣地を増やした理屈になり、厚みの運用の仕方に反するからです。
本書の冒頭にその注意点がずばり述べられております。

 

思い当たる節が多いのでは?
さて、本問の正解は─

 

黒1のツメになります。
実戦ではなかなか打てなさそうな手です。
白1に受けられ、攻めの効果が上がっていないように見えますが、黒の本当の狙いは右下。黒6まで大きな模様を作れば全局的に黒が打ちやすいという構想なのです。

 

次回は模様の正しい運用法をご紹介します。

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