打ち碁集「人生を変えた一局」

現在、囲碁・将棋チャンネル内で放送中の「記憶の一局」が書籍になって発売されます!

 

人生を変えた一局

これまで同番組に出演していただいた棋士の中から10人、計30局の対局を収録しています。

 

例えば張栩九段が選んだうちの一局は、5年前に行なわれた棋聖戦挑戦手合い。当時の山下棋聖と対戦した一局です。

 

 

いきなり初手から解説するのではなく、先にハイライトを示してから、その前後の進行を追っていくというのが本書の特徴です。
本局では張栩九段が得意のコウを駆使し、三手ヨセコウ(!)を仕掛ける点が見所になります。

 

 

さて、一気に飛んでこちらが最終譜。左下にとんでもない抜き跡がある通り、白は三手ヨセコウに勝ってしまうのです。「3手ヨセコウ、コウにあらず」の格言が通じなかった珍しい一局となりました。
本局の詳しいコウの攻防は書籍でご確認ください。

 

そのほか、扱っている対局は自身の勝局とは限りません。
山下敬吾九段が「自分の感覚とかけ離れた碁」として取り上げた木谷實─呉清原 戦。
小林覚九段は当時16歳の井山裕太四段に初タイトルを献上してしまった一局を率直に語っています。

 

棋書のジャンルとしては打ち集になりますが、読み物としても十分楽しめる一冊です。

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