新刊「すべての囲碁ファンに捧げる5つの金言」~そのプロローグ~

今月下旬発売される新刊のご紹介です。


今回の書籍、今年2月に発売された「すべての囲碁ファンに捧げる究極の上達法」の続編にあたります。
前作同様、トップ棋士それぞれの講座形式になっているのが特徴です。

 

まず注目するのが今回の豪華な講師陣。

どれぐらい豪華かというと、
石田先生、林先生、大竹先生、武宮先生、加藤先生、と5人の著者全員がタイトル獲得数歴代トップ10に入っているほどです。

 

それぞれの講義分野を簡単に触れると、
石田先生が「定石」、武宮先生が「置碁」、加藤先生「中国流」、大竹先生「手筋」、林先生「ヨセ」となっております。

 

その内容は後日ご紹介するとして、今回注目したいのが、本書の編者である田村竜騎兵氏のプロローグです。
まぁ、プロローグといっても30ページぐらいあるので、これも講座の1つみたいなものですが。
このプロローグ、結構手厳しいことが書いてあります。

 

週刊誌などの詰碁には、ヒントの末尾によく「五分でできたら3級」などと書いてあるが、あれはデタラメもいいところで、いっさい気にかける必要はない

 

あなたが失着を打ち、相手が考え込んだとしたら、あなたは迷惑そうな顔をしたり、早く打てといったそぶりをしてはならない。それが碁をたしなむ者のエチケットなのだ。悪手を打った側は罪人であり、裁判官が判決を下すまで、いさぎよく待つより手がないのである

 

感想戦の重要さを説く項では―

 

悪手が好手を誘い出すように、敗因があって勝因が生まれる。一つしかない白星を二人で争う以上、負けるのは仕方のないことだが、ニガい敗戦の味を、そのまま噛みしめるだけでは芸のない話だ

 

厳しいですね…。ただ、プロローグを全部読むと、確かにそうかもしれない…と思ってしまうのも事実。
5人の著者による講座だけでなく、このプロローグもなかなか興味深いのも本書の特徴なのです。

 

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30目得できる!? 新刊「荒らしのテクニック」

 

山田規三生九段の最新刊「荒らしのテクニック」が来月発売されます。
相手の模様・勢力圏に入っていくのが怖い、という方に特にお勧めできます。

早速ですが、第1章「どこまで入るか」の最初の問題がこちら(白番)。

 

下辺の黒模様にどう入っていくかというのがテーマです。
最初にこの問題を見た私、
下辺の黒模様に打ち込むのはヤキモチ、ここは模様の境界線に打って浅く消すのが正解だろう…と考えました。
が、本問の場合はもっと強気の手が成立するのです!

 

それが上図、白1の打ち込みです。
この手、実戦で打つとなると相当怖いですよね。白3以降、黒からきつい攻めを受けそうですから。

 

実際、黒5までとなると、白はただ逃げているだけのように感じます。
ところが…

 

白1,3,5と露骨に眼を確保するのがよいのです。
黒から多少いじめられそうですが、周囲の利きを利用して白は二眼確保できます。
この白が生きてしまうと、下辺にできそうだった黒地は雲散霧消。それを代償に得た利益もほとんどありません。分かり易く白優勢となります。

 

このように荒らしのテクニックを知っていると、一気に局面を優位に進めることができます。
帯にある「30目得する」もあながち大げさではないことがお分かりいただけたでしょうか?

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棋力アップの鍵は基本の習熟にあり! 新刊「囲碁手筋 基本のキ」

級位者の方にうってつけの問題集が今月下旬発売されます!

 

 

吉原由香里六段と王唯任五段の共著になります。
入門者から級位者への指導に対しては、抜群の実績を誇る両先生。
本書ではその経験が存分に生かされた問題集となっています。
問題の出題の仕方はこのような感じです。

問題は全て2択。
どちらからアテるか、どちらを守るか、どっちを切るか、といった実戦でもよく遭遇する場面から出題されております。
上下の問題は似たような形になっていますが、若干配石が違っており、それにより正解も異なってきます。

2択といっても侮れません。
上の問題は、黒からアタリを打つと黒地を破られるので、冷静にツグのが正解。
一方、下の問題だと黒のアテに白が抵抗してきても、黒がシノげています。実戦だと失敗図のように打って、知らずに損していることがあるかもしれません。

 

 

棋力に伸び悩んでいる方、本書を繰り返し解くことがその突破口になるはずです!

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