ソードm5へ、2013年より愛を込めて2


時代を彩った名機たち

第一回の記事からの続き

Amazon Kindleストア専売の電子書籍『時代を彩った名機たち』の中で紹介されているパソコンの中に、ソードm5(発売は1982年)というものがあります。私、岩井浩之はそのm5のファンクラブで会長を務めていた経験がありますので、少しだけ当時の思い出を語らせていただこうと思います。

 

m5をはじめとする1980年代のパソコンが、現代のパソコン…OSで言うなら、WindowsやMacと圧倒的に違っていたところは、電源を入れたら即、プログラミングの入力待機状態となっていたことでした。

厳密には、「Ready」や「ok」などの表示が出ていただけですが、そこに「10」と入力してエンターキーを叩くと、「10 」と、BASICプログラムの1行目の入力待機状態になり、空改行をすると、そこで入力おしまい。まるで、パソコンが「ほら、プログラムを作ろうよ」って手を差し伸べてくれているような敷居の低さでした。

 

さらに言えば、当時のパソコン…m5は256×192ピクセルという、ファミリーコンピュータと同じ解像度しかないグラフィックの粗さに加えて、キャラクターに使える色は1色のみ。つまり、絵心のない僕が描いたドットでも、その粗さが味となり「それっぽく」見えるキャラクターが作れたのです。背景だって、真っ黒で当たり前。

これはつまり、パソコンの性能というか、表現力が低いことを承知の上でのプログラミングとなるため、「●●みたいなゲームを作りたい」というような気負いもプレッシャーもなく、ファミコン初期どころか『スペースインベーダー』にすら届かないようなシンプルなゲームを、堂々と作れるという環境があったということなのです。

「○が表示されたら1を。×が表示されたら2を押す」そんな超シンプルなゲームだって、友達を呼んでみんなで遊べば大盛り上がり。ファミコン発売前の時代だったからこそ、そんな質素なゲームでも、みんなに喜ばれた時代だったのです。

 

ゲームを作って、少し遊んでみたら、少し物足りない。
「そうだ、○が表示されてから1を押すまでの間、どのくらいの時間がかかったのかを表示するようにすれば盛り上がるかも」
「過去のハイスコアが残るようにすると、競争心が生まれるかも」
「ベスト5の記録が順次残るようにしたいな」
「スコアを更新したらイニシャルを入力できるようにしようかな」
などなど、 遊んでいるうちに次々と「そのゲームをもっと面白くする工夫」があふれ出てきて、その場でプログラムを修正し、またテストプレイ。
今にして思えば、ゲームを作っている課程自体、ゲームのように楽しんでいたのかもしれません。

 

今はもう、そんな気持ちになれる環境はないのかといえば、そうでもありません。ニンテンドーDSiやニンテンドー3DS用のダウンロードソフト『プチコンmk II』です。
このソフトについては『時代を彩った名機たち』 内でも紹介されているので詳しい紹介は割愛しますが、買ってきた(または、ダウンロードした)ゲームを遊ぶだけじゃなく、自分で考えて、自分で作ったゲームを、自分で遊ぶという体験ができるこのソフト、お勧めです。

 

第三回記事へ続く

 

【商品情報】
商品名:時代を彩った名機たち~1980年代・国産パソコン戦国時代を振り返る
価格 :250円 ※購入前にビューワアプリ(下記参照)のインストールが必要
販売先:Amazon Kindleストア

閲覧環境:
Kindle for iPhone(iPhone/iPad/iPod touch用)、
Kindle for Android(Android携帯/タブレット用)、
Kindle Fire/HD/HD 8.9Kindle Paperwhite

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