猫カメラマン ケニア・ドイが語る『猫なんかよんでもこない。』の魅力


猫をテーマに様々な作品を撮っているカメラマン ケニア・ドイ氏が宣伝写真の撮影を担当した映画『猫なんかよんでもこない。』が2016年1月30日より公開されます。この作品や猫の魅力について、ドイ氏にお話を伺いました。

 

ケニア・ドイ (写真家)
人物と猫撮影を得意とするフォトグラファー。2011年より猫カメラマンとして活動。著書に『ぽちゃ猫ワンダー』(河出書房新社)、『じゃまねこ』(ケニア・ドイとじゃまねこ編集部 2016年1月23日発売 小社刊)がある。ご長寿猫を取材したWeb連載『猫又トリップ』や雑誌『ねこのきもち』など連載も多数あり。

 

──ドイさんは『猫なんかよんでもこない。』でどのようなお仕事をされたのでしょうか。

 

「この映画に関わるライターさんから『猫の写真撮影が得意なカメラマンがいる』と紹介されて、メインポスターの写真を撮影させていただくことになりました」

 

──映画の撮影現場で見る猫はいかがでしたか。

 

「撮影現場で猫のトレーナーの方を見るのは初めてだったので、カメラマンとしても非常に勉強になりましたね」

 

──完成した映画をご覧になって、どのような感想をお持ちですか。

 

「正直、1回目に観たときは、飼っている猫を外に出すなど、劇中の猫の飼い方に対して納得いかない部分がいくつかあってザワザワしたんです。自分が猫に深く関わっているので、動物愛護の視点から観ていたんです。ただ、時間を置いて2回目を観たら、印象が変わりました。そういった描写も含めて猫の飼い方の啓発活動に役に立つ作品だと思ったんです。この映画が注目を集めて、捨て猫の問題などを考える人が増えたら嬉しいですね。そういう意味でも、この映画は小学生とかにも観て欲しい作品です」

 

──作品で描かれている人間と猫の関係に関してはいかがでしたか。

 

「人って、猫を飼うことによって成長するんですよ。映画でも描かれている、猫が人を育てるという部分に、めちゃくちゃ共感しました。僕自身、猫を飼い始めてから、人間が丸くなりましたし、外で遊ぶよりも家に居る時間が増えました。取材などで猫を飼っている人に会うのですが、そういう人は多いですね」

 

映画『猫なんかよんでもこない。』
漫画家の兄(つるの剛士)と同居生活を送るボクサーの杉田ミツオ(風間俊介)は、兄が拾ってきた子猫チンとクロの世話をすることなる。猫の世話をしながらボクシングに打ち込むミツオだったが、とある出来事で生活が大きく一変する事となる。
(C)2015杉作・実業之日本社/「猫なんかよんでもこない。」製作委員会

 

──ドイさんは近年、猫カメラマンとして活動されています。

 

「元々は人物を中心に撮影していたのですが、趣味で猫を撮り始めて面白くてはまってしまったんです。猫は何のしがらみもなく自由に撮影できるので、ノンストレスなんです」
 

──ドイさんが猫写真で心がけていることは何ですか。

 

「猫写真は、かわいらしさばかりが注目されがちですが、かわいらしさだけでない魅力をとらえるという部分ですね。猫にはかっこうのよさも、渋さもありますから、そういった部分を写真で表現できればと考えています」

 

──一般の方でも、魅力的な猫写真を撮るコツを教えてください。

 

「構図というか、背景を少し気にすることですね。猫がいいのに背景がいまいちだったりする写真はよく見かけるので、なんとなくではなく、背景まで考えて撮ることが大切だと思います」

 

──ドイさんにとって猫とはどのような存在なのでしょうか。

 

「猫を撮り始めてから、何でも撮れるし、どこでも撮れるようになれました。人間的な部分だけでなく、写真家としても猫のおかげで成長できたと感謝しています。昔はなんとなく野良猫を撮影していたのですが、今では、野良猫の実情を知り、寄付したりボランティア活動にも参加するようになりました。自分でもこれまで3回捨て猫を保護して、計6匹を里子に出しました。微力ですが、猫で得たものは全て猫に返ししたいという気持ちで活動しています」

 

映画『猫なんかよんでもこない。』は2016年1月30日より全国公開です。

 

ケニア・ドイさんとじゃまねこ編集部による写真集『じゃまねこ』の情報はこちらです。

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