話題のアイソン彗星の撮影に日本の「CINEMA EOS SYSTEM」が国際宇宙ステーションで活躍


2013年11月末頃から見頃を迎えるはずだった「アイソン(ISON)彗星(C/2012 S1)」。いよいよ太陽に接近!というタイミングになってから暗くなったり明るくなったりと世界中の人々をやきもきさせ、もっとも近づいた後はその姿が確認できなくなり崩壊・消滅では?というNASAの発表がありながら、また彗星の核のようなものが確認されるなど、とにかく話題に事欠きません。

 

詳細は、「天体観測&撮影編集部」の記事をご覧いただくとして、この「アイソン彗星」の姿を世界で初めて超高感度4Kカメラの映像に収録したのは、「国際宇宙ステーション(ISS)」に搭載されたキヤノンの「CINEMA EOS SYSTEM」です。キヤノンによれば、2013年11月23日19時8分頃に「ISS」から撮影が行われたそうで、その後は核の崩壊・消滅した可能性もあり、とても貴重な記録となりました。

 

今回、撮影が行われた「国際宇宙ステーション」です(2009年にディスカバリー号から撮影された画像)。/提供 NASA

 

急遽番組タイトルが変更になって話題になった12月4日19時30分から放送予定のNHKスペシャル「宇宙生中継 彗星爆発 太陽系の謎」(旧タイトルは「遭遇!巨大彗星アイソン」)では、ISSに滞在中の宇宙飛行士若田光一氏が、超高感度4Kカメラで撮影した「アイソン彗星」やオーロラ、地球の映像を放映する予定です。「アイソン彗星」の状況が日々目まぐるしく変わっているだけに、番組内容が最終的にどのように落ち着くのかもまだわかりませんが、今回は生中継の映像もあるようです。

 

「ISS」は、地上約400kmの空にある有人実験施設で約90分で地球を一周しています。日本が開発した実験棟「きぼう」もその一部として、さまざまな実験を行っています。若田氏は、地球観測用のキューポラの中に超高感度4Kカメラを設置して地上を撮影すると思われますが、上空400kmからの4K映像とはどのようなものなのでしょうか?とても楽しみです。

 

キヤノンによれば、「アイソン彗星」の撮影に使用されたのは、CINEMA EOS SYSTEMのデジタルシネマカメラ「EOS C500 PL」とEFシネマレンズ「CN-E15.5-47mm T2.8 L SP」および「CN-E30-105mm T2.8 L SP」だそうです。ただし、「EOS C500 PL」については、超高感度化および宇宙での使用に耐えられる改造が加えられているとのことですが、ベース機は実際に販売されているものであり、実売価格は本体で230万円前後と高価なのでレンズ代も考えると趣味目的で購入するのは厳しいのですが、ビジネスであれば手が届かない範囲でもありません。「ISS」+「宇宙」+「4Kカメラ」という新しい映像の広がりは、表現の世界にも大きく影響を与えていくでしょう。

 

4K対応のデジタルシネマカメラ「EOS C500 PL」は、2012年10月に発売されました。

 

交換レンズ「CN-E30-105mm T2.8 L SP」です。

 

「CN-E15.5-47mm T2.8 L SP」です。

 

 

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