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「思考の決断」これほど違うトップ棋士の大局観」

引き続き、「至高の決断~徹底比較!トップ棋士の大局観~」の内容の一部をご紹介します。

 

前回紹介記事

 

井山七段(当時)が「難しい」といったこちらの局面。山下九段はどう判断したか?

山下九段の意見は黒持ち!井山七段は白持ち(前回記事参照)でしたから、両者で判断が分かれたことになります。こうした布石感覚の違いが分かるのが本書の一番おもしろいところですね。

 

さて、このあと山下九段は右辺で適切な手が見つからなかったため、上辺のヒラキを考えるのですが、そのヒラキの位置にも苦心されます。そして出した結論がこちら。

続いては依田九段。
初めに示した候補は下辺黒1子からコスむ手でしたが、検討した結果、右辺のカカリを選択。
結果的には井山七段と同じような想定図になりました

3者の回答が出揃ったところで、小松九段による総括になります題材にした対局は40年も前の対局でした。

この小松九段の総括ページが地味におもしろい。
今回の依田九段が示した手に対しては、「もっと工夫してくれると期待していたのになあ(笑)」とのコメント。なかなかの辛口です。同世代の依田九段にだからこそいえるのでしょうが。

 

ちなみに実戦の黒・橋本宇太郎先生は黒1のケイマを選択されました。3者の結論にはなかった図です。

以上がテーマ図1題分の流れです。
それぞれの棋士の結論図しか紹介できませんでしたが、そこに到るまでの変化図も非常に勉強になります。
テーマ図はこの問題含め、全11題。
トップ棋士達の頭の中でどういった思考が展開されているか、その一端を本書で垣間見ることができるでしょう。
発売は6月23日の予定です。