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タイトル戦の連覇記録を調べたら、やばい記録が進行中だった ~新刊紹介『囲碁ライバル物語』~

新刊『囲碁ライバル物語』の紹介です。
囲碁のタイトル戦の「連覇記録」と「名誉称号」についても調べてみました。

囲碁界は今、頂上決戦が行われています。
3冠を所持する本因坊文裕(井山裕太棋聖)に芝野虎丸2冠(名人、王座)が挑戦しています。
現在は、本因坊文裕が3連勝で9連覇に王手をかけました。



えっっっっっっ! 9連覇!?!?!?!?!?!?






ということで、気になったので、囲碁界の「連覇記録」について調べてみました。
連覇というと「名誉称号」も関連してくるので、合わせて調べました。

「やばい記録」が現在進行中であること、意外な情報がありました。
早速紹介していきます。



◎棋聖戦 8連覇


小林光一名誉棋聖
この後も名前が複数回出て来ます。
部分部分をどんどん「決め打ち」していくことで有名です。現代では、AIが「決め打ち」を好み、通じるところがあると言われています。

そして、もう一人・・・

井山裕太棋聖
現棋聖ということで現在進行形です!
次で最高記録の9連覇に挑みます。
さらに、その次も勝つと10連覇になります。

ここで、「名誉称号」について

○連続5期もしくは通算10期タイトルを獲得した棋士は
 現役で60歳以上に達したとき、もしくは引退時に名誉称号を名乗ることができる。

とあります。つまり、井山棋聖は60歳になれば「名誉棋聖」を名乗ることができます。
これにはさらに上があり、

○連続10期以上タイトルを獲得した棋士は現役で名誉称号を名乗ることができる。

という規約もあります。
つまり、井山棋聖は30代にして「名誉棋聖」を名乗るかもしれない状況です!



◎名人戦 7連覇


小林光一名誉棋聖
強い。。。の一言です。

ちなみに、井山棋聖は意外にも3連覇が最高。(ちょっと何を言ってるのかわからなくなってきました...)
井山棋聖にとって名人は、初タイトル、最初の七冠時代に奪われたタイトル...と何か因縁がありそうです。



◎本因坊 10連覇


趙治勲名誉名人

囲碁界でレジェンドと言えば、真っ先に思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
現在、唯一の10連覇です。長い間「二十五世本因坊治勲」と表記されていました。
※称号を複数持っていると、より序列の高い称号で呼ばれるようになる、とのことです。

現在は、井山棋聖こと「本因坊文裕」が8連覇中。あと1勝で9連覇です。


こちらも30代で・・・(以下略)


この記事を書いてみようと思ったきっかけです(笑)



◎王座 8連覇


加藤正夫名誉王座

「殺し屋」という異名がついたほど、格好良い碁です。力戦派ですが、バランスの良い碁もこなされます。日本棋院から出ている『怒涛の譜』は名著です。



◎天元 5連覇


林海峰名誉天元
「二枚腰」という異名がついたほど粘り強い碁。無類の検討好きでも知られ、朝までコースも当たり前だったようです。

そしてここでも、、、、井山裕太天元が5連覇中です。
どこまで記録が伸びるのか楽しみです。



◎碁聖 6連覇


何と3名いらっしゃいます。

大竹英雄名誉碁聖
小林光一名誉棋聖
井山裕太棋聖

大竹名誉碁聖は「美学」と言われるほど綺麗な碁です。アマチュアのお手本で棋譜並べにぴったりです!



◎十段 4連覇


加藤正夫名誉王座
王立誠九段

王立誠九段は逆転力で有名です。「小ゲイマへのカタツキ」はAI発祥の手として有名ですが、それ以前に王九段が一時期よく用いていました。呉清源先生の影響と言われているようです。

そして、十段だけ「名誉称号」の資格を持っている棋士がいません!
初めて知りました。。。誰が初めて獲得するのか注目ですね。


以上、「連覇記録」と「名誉称号」についてでした。
他にも、通算勝ち星とかいろいろな数字が公開されれば、面白いのになあ~と思いました



また、最近囲碁界のタイトル戦やライバル関係をテーマに歴史を辿る書籍が出ました。
(結局、新刊紹介なんかい!)

内藤由起子著
『囲碁ライバル物語 ~木谷門、平成四天王、井山一強に挑む新世代~


本記事に出てきた棋士のエピソードが満載で、楽しく読める一冊になっています。
観戦記者として、近い距離で激闘を見守ってきた内藤氏の力作です。

すでに発売済みで好評をいただいております!
まだの方は是非手に取ってみてください!

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