Webフォントデザインアワード 2013

日本語WebフォントによるWebサイト表現と技術、
アイデアのためのコンペティション。

受賞作品発表!

一般部門/グランプリ

本の書き出し

http://kakidashi.com/
中川 峰志 / ぴょん ゆみょん
使用サービス:TypeSquare

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ページを読み込むたびに、さまざまな本の書き出しが大小ランダムに並んで現れる、本好きにはたまらないWebサイト。それぞれの本はAmazonの購入ページに紐付けられているほか、電子書籍をハイライト表示させることもできる。書き出しを媒介とした本との出会いの場となっているのだ。Facebookでコネクトしてお気に入りの本を登録することもできる。Webフォントを使用したことによって、「1文字1文字が綺麗になり、最初に現れた時のインパクトが大きくなったと言ってもらえました」とのこと。

Image永原康史
Webフォントという技術と、コンテンツ、デザイン、この三つのバランスの良さにおいて際立っていたのが「本の書き出し」である。本が持つ魅力と文字の魅力がそのままこのサイトの魅力になっている。
Image清水幹太
ヘタにWebフォントを使うと、書体が美しいだけに、字詰め等のアラが目立つようになり、中途半端になりがちです。このサイトは、縦書きという難しい枠の中でそういった命題を鮮やかにクリアされています。
Image凪 佐〃木
このサイトを作られた動機も素晴らしかったのですが、Webフォントを導入したデザイン、サイトの演出からも、本への愛を感じました。ちゃっかりAmazon アフィリエイトを導入しているところも上手いですね。
Image小山田幸子
本の書き出しがずらっと並ぶ。見出しで興味を持たせ、内容を想起させ、すぐ購入もできる。レスポンシブでデバイス対応もされていて、デザイン性も高く、有用性もあり管理もしっかりしていてとてもキレイ。これこそWebフォントだから作ることができるサイトだと思いました。素晴らしいです。デジタル性を活かして、Kindle などの電子書籍リストにしたら、もっと便利そうだなあと思います。
Image山田晃輔
「出だしよければ全てよし」というコンセプトのみならず、サイトデザインもシンプルで美しく、応募作品の中では圧倒的な存在感でした。Webデザイン上ではあまり用いられない縦組み表現が、非常に効果的に使われています。

一般部門/準グランプリ

Dramatic Yotsukaido

http://dramaticyotsukaido.com/
Karappo Inc.
使用サービス:FONTPLUS

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千葉県四街道市の魅力を、街に暮らす人々の暮らしのなかから発信していこうという「ドラマチック四街道プロジェクト」。Webフォントを使うことで、「雰囲気づくりと更新のしやすさを両立させた」という。タイトル部分はJavaScriptによって動的にカーニングがかけられている。

Image永原康史
欧文書体設計において、文字のかたちと同等に力を注ぐのがカーニングの設定である。和文の場合は、ベタ組みという便利なものがあるのでさほど注目されないが、それでも字送りの美しさには気を配る。特に横組みが標準となるWebページではなおさらである。本サイトは、小振りの優しい書体を用いて作られており、ゆるい印象を与えながらも、見出しはJavaScript によって細かく字間調整されている。唯一、Webタイポグラフィと呼べる仕事を評価した。

一般部門/準グランプリ

CREATIVE SURVEY

https://creativesurvey.com/
株式会社フォーデジット
使用サービス:FONTPLUS

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簡単な操作で高機能なアンケートが作成できる、オンラインアンケート作成サービス。200種類以上のWebフォントを使って、ステップバイステップでオリジナルデザインのアンケートを作ることができる。日本語フォントが自由に使えることが同サービスを特徴づけ、デザインの幅を大きく広げているという。

Image清水幹太
インターネットはSNS 等のサービスとほとんど同義になってきています。個人ページで自己表現しなくなった時代、こういった、デザインのバリエーションを提供するためのWebフォントの活用は、より多くのユーザーにWebフォントを享受してもらうことにつながります。サービスの細部やユーザーインターフェイスは改善の余地がありますが、「Webフォントの明るい未来」を見せてくれたことが選考の理由になりました。

一般部門/Web Designing賞

オノマトペラボ

http://onomatopelabo.jp/
株式会社オズマピーアール
使用サービス:TypeSquare

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オノマトペの力を分析・研究し、コミュニケーションに役立てることを目的とした「オノマトペラボ」。トップコンテンツの「オノマトッター」では、オノマトペを含むツイートを収集・集計し、ツイートの多い順/少ない順で表示している。

Image凪 佐〃木
日本語独特なオノマトペを単純に表示するのではなく、Webフォントで言葉それぞれに異なる情景、使いどころがあることに気付かせてくれました。今後、オノマトペごとにフォントのデザインが異なっていると、さらに情景を想像しやすくなると思います。カーニングの問題についても、デザインにグリッドを取り入れ、演出でうまく処理しているところが素晴らしかったです。

一般部門/特別賞

日本調剤株式会社

http://www.nicho.co.jp/
株式会社レインボー・ジャパン
使用サービス:FONTPLUS

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全国展開する調剤薬局チェーン「日本調剤株式会社」のWebサイト。優しくやわらかな印象を与える書体がサイトの印象づくりに役だっている。

Image小山田幸子
薬に関わる堅くなりがちな情報を、Webフォントの丸ゴシックを使うことで、読みやすく、やわらかい印象で提供し、サイトブランディングに成功しています。老若男女が閲覧するサイトとして、文字の拡大や、SEOにも対応する面も含め、Webフォントならではの特性をうまく利用している良い事例だと思います。

一般部門/FONTPLUS賞

映画の言葉

http://eiganokotoba.jp/
Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC.
使用サービス:FONTPLUS

page_01_capture© 2013 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

映画の名セリフ、名シーンを軸に、名作や話題作を紹介する「映画の言葉」。添えられる文字はもちろん、字幕書体だ。

Image小山田幸子
映画の字幕に使われているニューシネマフォント。このWebフォントを使うことで映画という世界観を作り上げることができている作品だと思います。デバイスフォントではできないですし、300以上ある映画見出しを画像で作るもの管理がとっても大変。それをWebフォントがすべて解決していて、表現の面でも管理の面でも非常に良い事例だと思います。言葉のシェアもできますし。「映画の言葉」というコンセプトにぴったりですね。
Imageソフトバンク・テクノロジー株式会社
黒い背景に白い字幕フォント「ニューシネマB」を使用することで、映画の世界観やコンテンツの感動をうまく伝えることに成功しています。また、数々の映画のセリフを効率よく更新管理するために、早くからWebフォントに着目し、FONTPLUS を導入していただけたことを嬉しく思います。今後、運用効率・デザイン性・ブランディングへ配慮された素敵なサイトが増えることを願っています。

一般部門/TypeSquare賞

1day, 1photo, 1text

http://111.sakamotokyon.com/
坂本恭子
使用サービス:TypeSquare

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スナップ写真に一言を添える形でアーカイブしていく日記形式の個人サイト。Webフォントを導入することで、更新性を保ったまま雰囲気づくりができるようになったという。

Image山田晃輔
キャンペーンサイトで使われることが多いWebフォントですが、個人ユーザーも気軽に利用できるというお手本のようなサイトです。女性らしい、しなやかなレイアウトと、「A1明朝」の組み合わせが絶妙なバランスです。難しいことを考えず、Webフォントを気軽に使ったサイトがどんどん増えていくといいですね。(
Image株式会社モリサワ
短い言葉が書体に乗って、作者の方の声が聞こえてくるようです。印象的な写真やゆらめくようなレイアウトも相まって、見る人の想像力をかきたてます。個人のプロジェクトとのことですが、機能面の工夫として、投稿の自動化やCMSとWebフォントの連携などに取り組まれた点も評価のポイントとなりました。Webサイト全体の表現とWebフォントが巧みに調和した作品です。

※募集対象となった課題部門において用意されていたWeb Designing賞、TypeSquare賞、FONTPLUS賞の各賞につきましては、今回は該当作品なしとさせていただきました。このため、従来、課題部門に設定されていたWeb Designing賞を一般部門に移し、さらに審査において特別に優秀と認められた作品について、「特別賞」として顕彰させていただきました。