太陽族に代表される若者集団は、1960年代にかけて最も多く出現した。  ここでその集団を挙げてみようと思う。  カミナリ族:1959年頃出現。幹線道路をバイクですっ飛ばして行く集団のことで、オートバイが大衆化した時代に生まれ、ゴーグル、マフラー、皮ジャンといういでたちは特攻隊長のようであり、現在の暴走族の前身と呼べる集団である。  六本木族:1961年頃出現。六本木の街がかっこいいといわれていた時代に、金回りのよさそうな若者達が毎夜のように車で乗りつけていた。彼らを称して六本木族と呼んだ。  みゆき族:ロングスカートをはき、頭に色物のハンカチをかぶり、ウエストには大きなリボンを結び、中古のズタ袋を抱え、銀座のみゆき通りを徘徊した集団である。1964年初夏に出現し、初秋には消えていった。  それだけではなく、1966年から67年に登場した「原宿族」、1967年の「フーテン族」、「ヒッピー族」などの集団が次から次へと現れたのである。これら若者集団は、大人たちから反感を買い、嫌がられていた存在であった。しかし彼らは、大人たちの目にどのように映るかということを考えながら行動したのではないのである。