第12話「憧れる瞳」より続く
『超重機アスタコNEO』書籍発売記念のリアルイベント【 超重機アスタコNight 】まで、あと半月。
少しずつですが、当日の準備を進めているわけですが、ペーパークラフトのデザイナーAkihiroさんから「当日、プロジェクターに映す画像を送ります」と届いた画像を見てびっくり。
書籍の企画・構成・執筆をした僕ですら、初めて見る画像に興奮してしまい、「Akihiroさん、この画像、ブログに掲載していいですか?」とメールしてしまいました。
使用ソフトは、Autodesk Mayaという、超メジャーな3DCGソフト。PS VITA専用ソフト『GRAVITY DAZE』や、PS3/Xbox360用ソフト『ACE COMBAT ASSAULT HORIZON』といったゲームのほか、アニメ映画『劇場版マクロスF 〜サヨナラノツバサ〜』やディズニー映画『トロン:レガシー』でも使われているような、ガチな3DCGソフトなのです。
…でも、驚くべきはソフトではありません。その制作方法なのです。
現物、アスタコNEOを設計する時にも、当然CADデータと言いますか、3Dデータは作成します。ペーパークラフトを作る上で、そのCADデータをもらえれば話はスムーズだったんですが、そこはさすがに日立建機さんの機密情報。CADデータを提供してもらうわけにはいきません。そこで企画・構成担当だった僕は写真を1枚でも多く集め、デザイナーのAkihiroさんへと送ることにしたわけです。
そんなAkihiroさんが参考にされた画像はこちら。
本誌ですとP08に掲載されている、腕の可動範囲を示す図です。アスタコNEOの商品カタログに掲載されている、この三面図の画像をもとに、Akihiroさんは3DCGをモデリングしていったとのこと。何という能力…!!
こうして外側を作っていった次は、内側…コクピット内、シートなどのパーツを作ったり、作りやすいようにいくつかのパーツへ分割していったり…という工程です。
こうして分割されたパーツも、このままではペーパークラフトになりません。これを展開させ、糊付け用のベロも作らなければなりませんし、強度に応じて糊付け面積も考える必要があるわけです。
実際には、こうした努力のほかにも、各パーツを切り抜くための金型製作でも大変な苦労があったそうなのです。ぶっちゃけ、「パーツは皆さんがハサミで切って下さいね!」というパーペークラフトであれば、もう少し本の価格を下げることもできました。でも、これだけ細かいパーツですから、いちいちハサミで切るのも面倒ですよね? 「どうしても、そこはこだわりたいんです」とAkihiroさんに相談し、金型製作の職人さんを説得してもらうことに。
ペーパークラフト用の金型として、もしかして「過去最高に」細かい作業になったかもしれない、というアスタコNEOのペーパークラフト。まだ作っていない人は、そんなエピソードを頭の片隅に思い浮かべながら作ると、もっと楽しめるかもしれません。
次回、超重機アスタコNEO「復活のアスタコ」。ゼツボー的にカッコイイぜ!