前回のエントリー、第3話「あんたアスタコの何なのさ」でも話題に上った、1/22ペーパークラフト。本自体と同じくらい、こちらに興味を持って下さったプラモデル好き&玩具好きの方も多いのではないでしょうか?
そこで今回の記事では、ペーパークラフトが完成するまでの開発秘話をお話しましょう。
一般的に精巧なペーパークラフトを作るためには、3DCGで作成したポリゴンモデルを作り、そこから展開図などを考えていくという手法を使うんだそうです。ですが、ペーパークラフトを作るためとはいえ、現物のCADデータを提供してもらうわけにはいかず、結局デザイナーのAkihiroさんは資料用の写真を見て、そこから3DCGをモデリングすることになりました。
…が、お渡ししているのが手元にあった写真と、Webサイト上にアップロードされているものだけだったので、コクピットの天井や背面など、どうしてもわからない部位が出てくるわけです。
そこで日立建機(株)の広報担当者さんに無理を言って、特殊な角度からの写真を撮影していただき、それをペーパークラフトのデザイナーさんに渡して試作品を作り、それを日立建機さんにチェックしてもらって…というような行程でブラッシュアップされていったわけです。
上の写真は、ある程度までデザインが確定したものを、企画・構成担当の僕が休日に組み上げたものです。この時点では組み立て説明書に写真が入っておらず、「シート1のK-5を取り外し…」などの文字だけを頼りに、試行錯誤しながら組み立てたものです。このため、キャタピラやキャブ(運転席)部分で、本来は内側に折り込む部分が外側に出てしまっていたりと、お恥ずかしい感じになっている&写真は未完成状態ですが、こうして組み立て説明書の記載ミスや、わかりにくい表現などを変更するといった作業をしました。
僕自身、プラモデル…特に『ガンダム』シリーズのプラモデルを作るのは好きなんですが、組み立て説明書を見ながら迷った経験などは皆無なので、説明書の完成度が非常に高かったことに気付いた瞬間でもあります。さすがですよ、ホント。
こうして編集サイドが組み立て説明書をブラッシュアップしている一方で、ペーパークラフトのデザイナーさんは日立建機さんから「ここをもっとこうすると本物に近い」というアドバイスを受け取り、できる限り本物に近づけていくという作業を続けられていました。
そうした課程で「腕だけアップデートしました」というように、部分的に少しずつ。でも、確実に本物のアスタコNEOへ近づいていったのです。
そうして完成を迎えた姿がこれ。
カメラマン(八木竜馬)さんによる、素敵フォトです。こうしたペーパークラフト写真が素晴らしすぎて、本書内で掲載しているページの下端に「これはペーパークラフトです」的な注釈を入れた方がいいんでは? というアドバイスを関係各位から頂いたほどです。
本を手に入れた方は、ぜひペーパークラフトも作ってみてください。
次回、超重機アスタコ 第5話「A(アスタコ)の鼓動」遙かな時に、全てを掛けて。
発売日まで、あと3日